
建設業における法定福利費とは?計算方法・見積書への記載義務をわかりやすく解説
法定福利費とは、法律で会社(事業主)に負担が義務付けられている社会保険料などの費用のことです。具体的には、健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料・雇用保険料・労災保険料・子ども子育て拠出金の事業主負担分が該当します。建設業界では、2012年以降に国土交通省が「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」を策定し、すべての建設業者に社会保険への加入を求める取り組みが進められてきました。この流れの中で、見積書に法定福利費を内訳として明示し、適正な工事価格で取引することの重要性が年々高まっています。法定福利費を正しく理解し適切に見積もりに反映しなければ、下請業者が社会保険料を自腹で負担する事態に陥り、技能労働者の処遇悪化や担い手不足の深刻化につながります。建設業に携わる方であれば、経営者・経理担当者・現場監督を問わず、法定福利費の仕組みと計算方法を押さえておくことが不可欠です。
建設業における法定福利費とは?わかりやすく解説
法定福利費とは、法律で会社(事業主)に負担が義務付けられている社会保険料などの費用のことです。具体的には、健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料・雇用保険料・労災保険料・子ども子育て拠出金の事業主負担分が該当します。建設業界では、2012年以降に国土交通省が「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」を策定し、すべての建設業者に社会保険への加入を求める取り組みが進められてきました。この流れの中で、見積書に法定福利費を内訳として明示し、適正な工事価格で取引することの重要性が年々高まっています。
法定福利費を正しく理解し適切に見積もりに反映しなければ、下請業者が社会保険料を自腹で負担する事態に陥り、技能労働者の処遇悪化や担い手不足の深刻化につながります。建設業に携わる方であれば、経営者・経理担当者・現場監督を問わず、法定福利費の仕組みと計算方法を押さえておくことが不可欠です。
法定福利費と福利厚生費・諸経費との違い
法定福利費と混同されやすい用語に「福利厚生費」と「諸経費」があります。それぞれの違いを正しく理解しておくことが、見積書作成や経理処理で誤りを防ぐポイントです。
法定福利費は、健康保険法や厚生年金保険法、労働保険徴収法などの法律によって事業主に負担が義務付けられている費用です。一方、一般的に「福利厚生費」と呼ばれるものの多くは法定外福利費であり、住宅手当・通勤手当(法定超過分)・社員旅行・慶弔見舞金・社員食堂の補助など、会社が任意で設ける制度にかかる費用を指します。また、見積書における諸経費(現場管理費・一般管理費等)は、工事の実施や会社運営に必要な間接費の総称であり、法定福利費とは計上区分が異なります。
以下の比較表で違いを整理します。
項目 | 法律上の義務 | 具体例 |
|---|---|---|
法定福利費 | あり(法律で義務) | 健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料、介護保険料、子ども・子育て拠出金(いずれも事業主負担分) |
法定外福利費(福利厚生費) | なし(会社の任意) | 住宅手当、家族手当、社員旅行、慶弔見舞金、資格取得支援、社員食堂補助 |
諸経費(現場管理費・一般管理費) | なし(見積上の間接費) | 現場事務所費、安全対策費、交通費、通信費、会社の利益 |
見積書では、法定福利費を諸経費の中に含めるのではなく、別枠で明示して計上することが国土交通省のガイドラインで推奨されています。
建設業の法定福利費に含まれる内訳(対象項目)
法定福利費として計上すべき項目は、以下の6種類です。見積書の作成時や経理処理の際に漏れがないよう、全体像をまず把握しておきましょう。
- 健康保険料(事業主負担分)
- 介護保険料(事業主負担分・40歳以上65歳未満の従業員が対象)
- 厚生年金保険料(事業主負担分)
- 子ども・子育て拠出金(全額事業主負担)
- 雇用保険料(事業主負担分)
- 労災保険料(全額事業主負担)
これら6項目のうち、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料は「社会保険」、雇用保険料・労災保険料は「労働保険」に分類されます。子ども・子育て拠出金は厚生年金保険に付随して徴収される拠出金です。建設業では、特に労災保険料の扱いが他業種と異なるため(元請一括加入の原則)、後述のセクションで詳しく解説します。それぞれの項目について、以下で負担割合や注意点を見ていきましょう。
健康保険料・介護保険料
健康保険料は、従業員とその家族の医療費を支える公的医療保険の保険料です。労使折半、つまり会社と従業員が保険料を半分ずつ負担します。法定福利費として計上するのは、このうちの事業主負担分(会社負担分)のみです。
保険料率は、加入する保険者(協会けんぽか健康保険組合か)によって異なります。協会けんぽ(全国健康保険協会)の場合、都道府県ごとに料率が設定されており、2025年度(令和7年度)の全国平均は約10.0%前後です(会社負担はその半分の約5.0%)。建設業では「建設国保」など業種別の国民健康保険組合に加入している事業者もいますが、法人事業所や常時5人以上を雇用する個人事業所は原則として協会けんぽ又は健康保険組合への加入が必要です。
介護保険料は、40歳以上65歳未満の従業員(第2号被保険者)が対象となる保険料で、健康保険料と合わせて徴収されます。こちらも労使折半であり、事業主負担分を法定福利費に計上します。2025年度の協会けんぽにおける介護保険料率は1.59%(事業主負担0.795%)です。
厚生年金保険料・子ども・子育て拠出金
厚生年金保険料は、従業員の老齢・障がい・遺族年金を支える保険料で、労使折半で負担します。保険料率は全国一律で18.3%(2017年9月以降固定)であり、事業主負担は9.15%です。厚生年金保険料は法定福利費の中で最も大きな割合を占めるため、計算時に特に注意が必要です。
子ども・子育て拠出金は、児童手当の財源などに充てられる拠出金で、厚生年金保険の被保険者を雇用する事業主から徴収されます。最大の注意点は、全額が事業主負担(会社負担)であり、従業員からの徴収は一切ないという点です。2025年度の拠出金率は0.36%です。金額としては小さいものの、見積書の作成時に計算漏れが起きやすい項目です。法定福利費を正確に算出するためには、この子ども・子育て拠出金を忘れずに含めてください。
出典:日本年金機構 厚生年金保険料額表 / 内閣府 子ども・子育て拠出金
労働保険料(雇用保険料・労災保険料)
労働保険料は、雇用保険料と労災保険料で構成されます。建設業では特有の制度が適用されるため、他業種以上に理解が求められます。
雇用保険料は、失業給付や育児休業給付などの財源となる保険料です。保険料率は事業の種類によって異なり、建設業は一般の事業よりも高い料率が適用されます。2026年度(令和8年度)の建設業の雇用保険料率は16.5/1000(1.65%)で、そのうち事業主負担は10.5/1000(1.05%)、従業員負担は6/1000(0.6%)です。会社と従業員で負担割合が異なる点に注意してください。
労災保険料(労働者災害補償保険料)は、業務中・通勤中の事故や疾病に備える保険料で、全額が事業主負担です。建設業の労災保険料率は工事の種類によって細かく分かれており、例えば建築事業(既設建築物設備工事業を除く)は9.5/1000、機械装置の組立て又は据付けの事業は6.5/1000など、事業内容に応じて異なります。
建設業の大きな特徴として、元請業者が現場の労災保険を一括して加入する原則(有期事業の一括・請負事業の一括)があります。下請業者の作業員も含め、元請が工事現場ごとに労災保険料を負担するのが基本です。ただし、一人親方など雇用関係のない個人事業主は対象外であり、自ら「特別加入」の手続きを行う必要があります。
出典:厚生労働省 雇用保険料率について / 厚生労働省 労災保険料率表
建設業における法定福利費の計算方法・会社負担率は何パーセント?
「法定福利費は結局何パーセントかかるのか」「どうやって計算すればいいのか」は、建設業の経営者や経理担当者にとって最も気になるポイントです。各保険料率は年度によって改定される場合がありますが、まずはおおよその目安を把握した上で、正確な計算式を確認しましょう。法定福利費の計算は複雑に見えますが、基本的な考え方はシンプルです。「対象となる労務費(賃金)に、各保険料の事業主負担率を掛け合わせる」というのが基本の計算式になります。以下で、目安となるパーセンテージと、見積書作成時の具体的な算出手順を解説します。
法定福利費はざっくり何パーセント?目安と計算式
各保険料の事業主負担率を合計すると、労務費(賃金総額)に対する法定福利費の割合はおおよそ以下のようになります(2025年度の料率に基づく概算)。
保険の種類 | 事業主負担率(概算) |
|---|---|
健康保険料 | 約5.0%(協会けんぽ全国平均) |
介護保険料 | 約0.80% |
厚生年金保険料 | 9.15% |
子ども・子育て拠出金 | 0.36% |
雇用保険料(建設業) | 約1.1% |
労災保険料(建設業・建築事業の例) | 約0.95% |
合計 | 約17.35% |
※ 労災保険料率は工事の種類で異なります。また、健康保険料率は加入する保険者・都道府県で変動します。
上記より、ざっくり労務費の15%〜17%程度が法定福利費の目安です。40歳未満の従業員のみの場合は介護保険料がかからないため下限寄り(約15%〜16%)、全員40歳以上の場合は上限寄り(約16%〜17%)となります。
基本的な計算式は以下のとおりです。
法定福利費 = 対象となる労務費(賃金総額) × 法定福利費率(各保険の事業主負担率の合計)
たとえば、ある工事の労務費が500万円、法定福利費率が16.5%の場合:
500万円 × 16.5% = 82万5,000円(法定福利費)
この金額を見積書に法定福利費として計上します。
※ 保険料率は年度改定があるため、必ず最新の料率を確認してください。協会けんぽ、日本年金機構、厚生労働省の各公式サイトで最新情報を入手できます。
見積書作成時の具体的な算出方法と手順
国土交通省の「法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順」に基づき、見積書への法定福利費の算出は以下のステップで行います。
ステップ1:対象となる労務費を算出する
直接工事費の中から、法定福利費の算出対象となる「労務費」を抽出します。労務費とは、工事に直接従事する技能労働者に支払う賃金の総額です。見積書の内訳に労務費が明示されている場合はその金額を使用します。労務費と材料費が分離できない場合は、過去の実績や標準的な労務比率を参考に労務費相当額を推計します。
ステップ2:適用する保険料率(事業主負担分)を確認する
自社が加入している各保険の事業主負担料率を最新の情報で確認します。上記の表を参考に、健康保険料率・介護保険料率・厚生年金保険料率・子ども子育て拠出金率・雇用保険料率・労災保険料率の6つをリストアップしてください。
ステップ3:労務費に保険料率を乗じて法定福利費を算出する
ステップ1で算出した労務費に、ステップ2の各保険料率を掛けて保険種類ごとの金額を計算し、合計します。Excelなどの表計算ソフトで以下のような表を作成すると、計算ミスを防ぎやすくなります。
保険種類 | 労務費(A) | 事業主負担率(B) | 法定福利費(A×B) |
|---|---|---|---|
健康保険料 | 5,000,000円 | 5.00% | 250,000円 |
介護保険料 | 5,000,000円 | 0.80% | 40,000円 |
厚生年金保険料 | 5,000,000円 | 9.15% | 457,500円 |
子ども・子育て拠出金 | 5,000,000円 | 0.36% | 18,000円 |
雇用保険料 | 5,000,000円 | 0.95% | 47,500円 |
労災保険料 | 5,000,000円 | 0.95% | 47,500円 |
合計 | — | — | 860,500円 |
ステップ4:見積書に法定福利費を別枠で記載する
算出した法定福利費を、見積書の中で「法定福利費」として独立した項目で記載します(詳細は次のセクションで解説)。
【重要】建設工事の見積書への法定福利費の記載・明示義務
建設業法第20条第3項では、建設工事の見積もりにあたり「工事の種別ごとに材料費、労務費その他の経費の内訳を明らかにして」見積もりを行うよう努めることが定められています。この規定を具体化する形で、国土交通省は2013年(平成25年)から「法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順」を公表し、元請・下請を問わず法定福利費を見積書に明示することを求めています。
背景には、建設業における社会保険未加入問題がありました。保険料負担を避けるために社会保険に加入しない事業者が多く存在し、技能労働者の処遇悪化や公正な競争環境の阻害が深刻な課題となっていました。法定福利費を見積書に別枠で明示することで、適正な価格での契約を促進し、社会保険への加入を確実にするという狙いがあります。2017年度以降は、社会保険未加入の建設業者に対して建設業許可の更新を認めないなどの厳格な対応が取られており、法定福利費の適正な見積もりは今やすべての建設業者にとって避けて通れない課題です。
見積書への書き方・記載例(内訳書の別枠計上)
法定福利費を見積書に記載する際は、直接工事費や一般管理費の中に紛れ込ませるのではなく、「法定福利費」として別枠(外だし)で明示することが推奨されています。以下に、国土交通省のガイドラインに沿った見積書の記載例を示します。
【見積書 記載例】
項目 | 金額 |
|---|---|
1. 直接工事費 | 10,000,000円 |
(うち労務費) | (5,000,000円) |
(うち材料費) | (4,000,000円) |
(うち直接経費) | (1,000,000円) |
2. 共通仮設費 | 500,000円 |
3. 現場管理費 | 800,000円 |
4. 一般管理費等 | 700,000円 |
5. 法定福利費 | 860,500円 |
工事価格 | 12,860,500円 |
消費税等 | 1,286,050円 |
見積合計額 | 14,146,550円 |
上記のように、法定福利費を独立した行として記載します。さらに、保険種類ごとの内訳(健康保険料○円、厚生年金保険料○円…)を別紙や備考欄に記載すると、発注者からの信頼性が高まり、金額の根拠も明確になります。
注意点として、法定福利費を「値引き」の対象にしてはいけません。法定福利費は法律で義務付けられた社会保険料の事業主負担分であり、これを削減することは労働者の社会保険加入を妨げることにつながります。元請から下請に対して法定福利費を削減するよう求める行為は、建設業法第19条の3(不当に低い請負代金の禁止)に抵触する可能性があります。
一人親方や個人事業主を下請けにする場合の扱いは?
一人親方や個人事業主を下請として活用するケースは建設業では非常に多いですが、法定福利費の扱いが雇用関係のある従業員とは大きく異なります。
一人親方の場合、元請や上位の下請と雇用関係がないため、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の適用対象外です。一人親方自身が国民健康保険(または建設国保)と国民年金に個人で加入し、保険料を全額自己負担する形になります。したがって、一人親方への外注費には、原則として法定福利費(事業主負担分)は発生しません。見積書に法定福利費を計上する際は、一人親方への外注費と自社従業員の労務費を明確に区別する必要があります。
ただし、労災保険については例外的な対応が必要です。一人親方は雇用されていないため元請の労災保険の対象外ですが、「特別加入」制度を利用して自ら労災保険に加入することが強く推奨されています。元請としては、一人親方が特別加入しているかどうかを確認し、万一の事故に備えた体制を整えることが求められます。
元請の立場で確認すべきポイント:
- 一人親方が国民健康保険(建設国保を含む)・国民年金に加入しているか
- 一人親方が労災保険の特別加入をしているか
- 「一人親方」とされている作業員が実態として雇用関係にあたらないか(偽装一人親方の問題)
実態として指揮命令を受けて就労している場合は「雇用」と判断され、社会保険への加入が必要になる点にも注意してください。
法定福利費の会計処理・仕訳と消費税の扱い
法定福利費は見積書への計上だけでなく、日常の経理・会計処理においても正しく仕訳する必要があります。特に、消費税の区分(課税・非課税・不課税)や、従業員負担分の「預り金」との区別は、経理担当者が迷いやすいポイントです。ここでは、法定福利費の消費税上の取り扱いと、実務で使える仕訳例を解説します。建設業では工事原価の中で法定福利費をどの勘定科目に計上するか(労務費の付帯費用として工事原価に含めるか、販管費として処理するか)など、業種特有の判断が求められる場面もあります。以下で具体的に確認していきましょう。
法定福利費に消費税はかかる?(非課税・不課税の区分)
法定福利費として支払う社会保険料・労働保険料には、消費税はかかりません。よく「非課税」と説明されることがありますが、正確には「不課税取引(課税対象外)」に該当します。
消費税法上、「非課税」と「不課税」は異なる概念です。「非課税」は消費税の課税対象となる取引のうち、政策的に税が免除されるもの(例:社会保険診療、住宅の貸付)を指します。一方、「不課税」は、そもそも消費税の課税要件(対価を得て行う資産の譲渡等)を満たさないため、課税の対象にならない取引を指します。社会保険料は保険給付のための拠出金であり、対価性がないため不課税とされています。
実務上の影響としては、法定福利費は仕入税額控除の対象にはなりません。消費税の申告で課税仕入れに含めないよう注意してください。会計ソフトで仕訳入力する際には、税区分を「対象外」または「不課税」に設定します。
なお、見積書において法定福利費を記載する場合、消費税の課税対象となる「工事代金」の外に記載するケースと、工事価格に含めて消費税を計算するケースがあります。前述の見積書記載例のように工事価格の内数として法定福利費を含める場合は、最終的に消費税が課される対象に含まれる形になります。
勘定科目と仕訳例(預り金との違いに注意)
法定福利費の仕訳で最も重要なポイントは、会社負担分と従業員負担分を明確に区別することです。会社負担分は「法定福利費」(費用)として計上し、給与から天引きした従業員負担分は「預り金」として処理するのが一般的です。
【仕訳例1】給与支払時(従業員負担分の天引き)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
給与手当 | 300,000円 | 普通預金 | 255,000円 |
預り金(社会保険料) | 45,000円 |
従業員に支払う給与30万円から、社会保険料の従業員負担分45,000円を天引きし、差引支給額255,000円を振り込む仕訳です。
【仕訳例2】社会保険料の納付時(会社負担分+従業員負担分)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
法定福利費 | 45,000円 | 普通預金 | 90,000円 |
預り金(社会保険料) | 45,000円 |
会社負担分45,000円を「法定福利費」として費用計上し、給与天引き時に預かっていた従業員負担分45,000円と合わせて、合計90,000円を年金事務所等に納付する仕訳です。
【別の処理方法】法定福利費のマイナス処理
一部の会計ソフトや企業では、従業員負担分を「預り金」ではなく「法定福利費のマイナス(貸方)」で処理する方法もあります。この場合、給与支払時の貸方に「法定福利費 45,000円」を計上し、納付時に借方に「法定福利費 90,000円」を計上することで、差額の45,000円が会社負担分として費用に残る形になります。どちらの処理方法でも最終的な損益は同じですが、自社の会計方針に沿った処理を一貫して行うことが重要です。
まとめ:法定福利費の適切な計算・見積もり作成を効率化するには
本記事では、建設業における法定福利費の基本知識から、計算方法、見積書への記載義務、会計処理まで幅広く解説しました。ここで重要ポイントを振り返ります。
- 法定福利費は法律で事業主に義務付けられた費用であり、計上を怠ることは許されません
- 会社負担率はざっくり労務費の15%〜17%が目安です(年度・加入保険者により変動)
- 見積書には法定福利費を別枠で明示し、値引きの対象にしないことが重要です
- 消費税は不課税であり、仕入税額控除の対象外です
しかし、これらの計算や見積書への反映を手作業やExcelで行うのは大きな負担です。各保険料率は年度ごとに改定される可能性があり、改定のたびにExcelの計算式を修正する手間が発生します。さらに、都道府県ごとに異なる健康保険料率、工事の種類ごとの労災保険料率など、考慮すべき変数は多く、手計算ではミスが起きやすいのが実情です。こうした煩雑な業務を効率化し、コンプライアンスを確実に遵守するためには、専用の管理ソフトの活用が有効です。
建設業向け管理ソフト「サクミル」のご紹介
建設業の法定福利費の計算や見積書への内訳明示に課題を感じている方には、建設業向けクラウド管理ソフト「サクミル」の導入をおすすめします。サクミルは、建設業の業務に特化して開発された管理ソフトで、見積書の作成時に法定福利費を自動で計算し、内訳を別枠で明示した見積書を簡単に作成できます。
サクミルを導入することで得られるメリットは以下のとおりです。
- 法定福利費の自動計算:最新の保険料率に基づいたマスタを使用することで、労務費から法定福利費を自動算出。手計算の手間とミスを大幅に削減します
- 法改正への自動対応:保険料率の改定時にはシステムが自動で最新の料率に更新。改定のたびにExcelを修正する必要がなくなります
- 国交省ガイドライン準拠の見積書:法定福利費を別枠で明示した見積書のフォーマットを作成可能。コンプライアンスに沿った見積書を誰でも簡単に作成できます
- 見積から原価管理まで一元化:見積書作成だけでなく、工事台帳・原価管理・請求書発行まで一つのシステムで完結。業務全体の効率化を実現します
法定福利費の適正な計算と見積書作成の効率化に、ぜひサクミルをお役立てください。
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