
バーチャート工程表とは?メリット・作成手順・注意点を徹底解説!
「工程表を作ったのに、雨天順延で全体スケジュールが崩壊した」
――そんな経験はありませんか。
バーを横に引くだけのバーチャート工程表はシンプルで見やすい反面、依存関係が見えにくく、少しのズレが大きな遅延につながるリスクを秘めています。
本記事では、バーチャート工程表の定義やガントチャート・ネットワーク工程表との違いをはじめ、メリット・デメリット、初心者でも失敗しない作成手順、無料Excelテンプレートの活用法を詳しく解説します。
さらに、工程表の管理をクラウド化でき、関係者へ即共有できるクラウド現場管理ツール「サクミル」も紹介。この記事を読み終える頃には、工程表づくりの基礎から実践的な改善策まで身に付き、現場の工程管理をスマートに進める自信が得られるはずです。
バーチャート工程表とは?
縦軸に作業、横軸に期間を取り横棒で進捗を示すバーチャート工程表の定義・他形式との違い・採用現場を解説します。
バーチャート工程表の定義と特徴
バーチャート工程表は、縦軸に工事や作業項目、横軸にカレンダー日付を配置し、各タスク期間を棒グラフで示す最もシンプルな工程管理方式です。バーの長さだけで開始日・終了日・工期が直感的に把握できるため、短期工事や小規模改修現場で広く採用されています。表計算ソフトでも手書きでも作成できるため導入ハードルが低く、工程表に不慣れな施工主や協力業者とも情報を共有しやすい点が支持される最大の理由です。
ガントチャート・ネットワーク工程表との違い
ガントチャートは見た目が似ていますが、横軸に「進捗率」を取り、タスク間の依存関係を矢印で示せるため複雑工程に向きます。一方、ネットワーク工程表(アローダイヤグラム)は作業順序とクリティカルパスを表現できるものの、図面が複雑化しやすく初心者には難解です。バーチャートは依存関係やクリティカルパスを明示できない代わりに視覚的にシンプルで、会議配布資料や掲示板など「ぱっと見」の可読性を重視する場面に適しています。
建設業では、様々な工程表を使って、進捗管理などを行います。全体像を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【関連記事】工程表とは?表の種類や作り方、エクセルテンプレート6選も紹介
バーチャート工程表が採用される代表的な現場
戸建て新築やリフォームなど比較的工程が単線的な建築工事では、バーチャートだけで十分に工程管理が可能です。また、道路補修や外構工事など天候に左右されやすい短工期・屋外作業でも、雨天順延を想定したバッファ期間をバーで調整しやすい点が評価されています。最近ではクラウド型施工管理ツールを使うことで、スマートフォンやタブレットなどで工程表を共有できるため多職種協働の改修現場でも利用が拡大しています。
バーチャート工程表を使うメリット
誰でも短時間で作成でき、視認性と共有性に優れるなどメリットが多いですが、この章ではそんなメリットを紹介します。
短時間で誰でも作成しやすい
バーチャート工程表は縦軸に作業名、横軸に日程を置くだけという最小限のルールで構成されます。複雑な依存関係や前提知識を要さないため、施工管理初心者でも Excel や手書きで即座に描ける点が最大の強みです。
現場スケジュールを一目で把握できる可視性
バーチャートは各工程の開始・終了・重複期間をバーの長さと位置で直感的に示します。横棒が並ぶだけの構図は、管理職はもちろん協力会社や施主でも視覚的に理解しやすく、「今どの工程が走っているか」「次に来る作業は何か」を一目で共有できます。ガントチャートほど細密ではないものの、色分けや凡例を付すだけで担当別・工種別の進捗を俯瞰できるため、現場掲示板や日次の朝礼資料にも転用しやすい点が現場から支持されています。
修正・共有が容易でコミュニケーションが円滑
工期が変動した際はバーをスライドさせるだけで反映できるため、工程変更のスピードが他形式より格段に速いことが特徴です。クラウド型の施工管理システムを併用すれば、更新と同時に関係者へ即時共有可能で、紙の差し替えやメール添付の手間を削減できます。結果として「最新の工程を誰が持っているのか分からない」という情報ギャップが解消され、職人・協力会社・発注者間のコミュニケーションコストが大幅に低減します。
バーチャート工程表のデメリットと対策
メリットばかりのバーチャート工程表に見えますが、デメリットもあるので、この章でデメリットを確認し、対策していきましょう。
作業間の関連性・クリティカルパスを把握しにくい
バーチャート工程表は各タスクを横棒で並べるだけの構造ゆえ、どの作業が前提条件になっているかを図上で読み取れません。遅延が波及する経路=クリティカルパスも明示できず、結果として「どの工程を死守すべきか」を現場全員で共有しにくいのが最大の弱点です。特に複数工種が入り乱れる現場では、遅れ検知が後手に回りやすく、手戻りや追加コストを招きます。
対策としては
(1) 前後関係を示す矢印や工程番号を手動で追記する
(2) クリティカルパスだけ色を変えてハイライトする
(3) 週次ミーティングで遅延リスクを洗い出す
など、図面外で依存関係のわかりにくさを補完する運用ルールを徹底することが不可欠です。クラウド型ツールの中には、バー同士をドラッグで結線し簡易的な依存関係を表示できるものもあるため、システム導入も有効です。
複雑・長期プロジェクトには不向き
タスク数が数百を超える大規模工事では、バーチャートが縦に極端に長くなり、一覧性が失われます。行数が増えるほどスクロールや紙面分割による視線移動が頻発し、全体像と細部を同時に把握することが困難です。また、雨天や資材遅延など頻繁な変更が発生する長期現場では、毎回の修正作業が担当者に集中し属人化する恐れがあります。
このような状況では、作業を階層化して「月次バーチャート→週次細部チャート」と二段構えで管理する方法が効果的です。さらに、担当者単位の進捗はガントチャートやカンバン方式のタスクボードに切り分け、役割別に最適な可視化を行うことで情報過多を防げます。
代替手段(ガント/ネットワーク)や併用テクニック
バーチャートの弱点を補う代表的な代替策がガントチャートです。ガントチャートはバーを進捗率とリンクさせ、依存関係を矢印で示せるため、遅延リスクを早期に察知できます。さらに、クリティカルパスを厳密に確認したい場合はネットワーク工程表(CPM/PERT)を併用し、計算で工期短縮シナリオを試算するのが王道です。
現場では「マスタースケジュールをネットワークで策定→週次ミーティング用にバーチャートで展開→各担当はガントで進捗入力」という三層ハイブリッド管理などもおすすめです。バーのシンプルさを活かしつつ、別フォーマットで不足情報を補完する運用こそ、デメリットを最小化しながら可視性を最大化する鍵となります。
バーチャート工程表の作成手順
4ステップで精度と共有性を両立した工程表を作成しましょう!
①作業内容・施工手順の洗い出し
最初に行うべきは、プロジェクトで発生するすべての作業を網羅的に書き出すことです。漏れがあると後工程でスケジュールが破綻するため、工種・部位・発注区分など複数の切り口でブレインストーミングを行いましょう。
次に、工程の論理的な順序を決めます。コンクリート打設→養生→型枠脱型といった自然なフローに沿って並べることで、後の期間設定が容易になります。この段階でマイルストーン(検査日・引渡日など)を同時に設定しておくと、計画にメリハリが付き進捗管理もシンプルになります。
②各作業の期間・工数・担当者の設定
洗い出したタスクごとに標準歩掛りや過去実績を参照しながら工期・工数を割り当てます。人数や施工条件によるばらつきを考慮して、想定工期に「予備日(バッファ)」を 5〜10%追加しておくと、雨天などの突発要因による遅延を吸収しやすくなります。担当者欄には元請・専門工事会社・資材メーカーなど関係者名を明記し、責任範囲を可視化することで問い合わせ先が不明になるリスクを抑えられます。
③資機材・人員配分とリソース調整
工程を横並びで眺めて、同じ期間に重複する資機材や職種がないか確認します。鉄骨建方と内装軽鉄工事が同時並行するとクレーンが取り合いになる、といったボトルネックを事前に抽出するイメージです。
重複が見つかったら、バーをスライドさせる・夜間シフトを導入するなど代替案を検討し、資機材の再配分を行います。
④ドラフト作成と上司・関係者による承認
全バーを入力したらドラフト版を PDF 出力し、所長・工事部長など経験豊富な第三者にレビューを依頼します。チェックポイントは「工期が契約条件を満たすか」「無理な同時作業がないか」「検査・受電など行政イベントが組み込まれているか」の3点です。修正が完了したらバージョン番号を付与し、クラウド上に最新版をアップロードして関係者に通知します。履歴と権限を一元管理することで、旧版参照によるミスコミュニケーションを防げます。
無料テンプレート&Excelで作る方法
豊富な無料テンプレートを活用し、Excelで迅速にカスタマイズする手順を解説します!
建設業向けおすすめExcelテンプレート5選
建設業の現場で“とりあえずすぐに使いたい”という場合は、まずテンプレートを活用すると作成時間が一気に短縮できます。
①サクミルのエクセルテンプレート
シンプルで操作性に優れており、初心者にも使いやすい工程表です。
工程表で重要な日付について、自動で補正される機能がついており便利です。
②「ほたての苦悩」のエクセルテンプレート
工事作業項目を入力するだけで、初心者でも工程表が作成でき、また使いやすい工程表となっています。
自動計算の関数が組み込まれており、「工程名」「開始日」「終了日」を記入するだけで自動で対応する日数が反映されています。また、非稼働日を入力すると自動的に表から除外してくれます。
ダウンロードはこちら:https://navi.dropbox.jp/construction-schedule-excel#1-4_forExcel
③Red Warriorのエクセルテンプレート
かなり経験者向けの工程表作成テンプレートとなります。
工程表の修正作業で重要な、作業毎の優先度別に並べ変えることができるために、工程を細分化して管理することができます。なおPCスペックによっては、動作が重く操作性にストレスを感じることがあるようです。
ダウンロードはこちら:https://navi.dropbox.jp/construction-schedule-excel#1-4_forExcel
④Excel Proのエクセルテンプレート
Excelが提供している簡易版の工程表テンプレートとなります。1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年とそれぞれ作成用シートが用意されています。
一部に作業工程名と施工期間を入力するだけで、全体の工程表にも反映されるために、再度入力する手間を省くことができます。似たような作業工程名は、間違えると別作業と勘違いする場合がありますが、これらを防ぐことができます。
ダウンロードはこちらから:https://syswat.com/soft/ep05kote.htm
⑤Excelフリーウエア版のエクセルテンプレート
こちらもExcelが提供している工程表テンプレートとなります。
関数が組み込まれていないために、逆にセルを追加したり施工期間の棒線の色を自由に変更することが可能となります。下書き用のテンプレートとしても使うことができます。
ダウンロードはこちら:https://navi.dropbox.jp/construction-schedule-excel#1-4_forExcel
バーチャート工程表を活用する際の注意点
工期に余裕をもたせ、案件分割や履歴管理で遅延リスクを最小化しましょう。
工期に余裕期間を持たせる
屋外工事は天候や資材納期の遅延が避けにくいため、各バーの後端に5〜10%の予備日(スラック)を設定しておくことが推奨されます。特にコンクリート打設や検査日など工程の要所となるマイルストーンから逆算し、後続工程に影響が及ばないクッションを確保することで、遅延発生時の再調整を最小限に抑えられます。
複数現場・複数案件をまとめない
バーチャートはシンプルさが利点ですが、複数案件を1枚に詰め込むと縦方向が極端に長くなり、肝心の遅延箇所を即座に特定できなくなります。工程表を案件ごとに分割して管理し、共通リソース(クレーン・技能者など)の衝突は週次の横断工程会議で調整すると、可視性と実務性のバランスが取れます。さらに各案件をサブフォルダやタグなどで分類できる施工管理アプリを利用すれば、担当変更や応援要員の要請をスマホから即時に行え、現場間の情報ギャップを防止できます。
変更履歴を残しやすい設計とバックアップ体制を作る
Excelでは、自動バージョン管理機能が搭載されているものもあり、上書き保存のたびに復元ポイントが生成されるため、旧版と最新版を容易に比較できます。ただし工程ファイルは複数メンバーが同時編集するケースが多いため、クラウド上で最新版と承認フローを一元管理する方が安全です。ISO 9001 でも改訂履歴の明示と旧版の誤使用防止が求められており、クラウド保管+アクセス権設定で要件を満たせます。施工管理システムでは、ファイルごとの履歴管理や、データのバックアップ体制もついていることが多いので、監査対応や情報共有に便利です。
工程表作成時の失敗例と解決策
ここでは、工程表作成時の典型的なミスとその防止策を紹介します。
工期遅延を招くバーの重なりミス
バーチャートではバーが視覚的に重なっているだけで先行・後続関係を読み違える恐れがあります。雨天順延や資材遅延が発生した際、影響範囲を見落として後続タスクをずらし忘れ、結果として全体工期が崩壊する。
解決策は二段階あります。
第一に、要所となるマイルストーン(検査日・立会い日など)を赤線で固定し、クリティカル工程をハイライトすることです。
第二に、週次で「バー間の重複チェックリスト」を運用し、各作業のバー末尾⇄先頭を指差し確認すると、見落としを劇的に減らせます。
担当者・資材ダブルブッキング
現場が複数並行する企業では、同じ重機や技能者の予定がかぶり、当日になって「職人が来ない」「クレーンが別現場に出払っている」というトラブルが頻発します。原因の多くは、工程表に担当会社や資機材列を設けずバーだけで管理している点にあります。
防止策として、
(1) バーチャート内に「担当」「資機材」列を追加し、条件付き書式で色分けする。
(2) サクミルなどのクラウド施工管理ツールて同一人物・機材の重複をリアルタイムに警告表示させる。
の2手法が効果的です。
さらに、月初に横断工程会議を設定し、案件別バーチャートを壁張りして重複行をマーキングする運用を定着させれば、急な欠勤や天候変動にも柔軟に対応できます。
工程再調整が頻発する
再調整が続く現場の典型例は「詳細工程を詰め切らないまま着工し、現場日報で初めて問題が顕在化する」パターンです。
改善策は、
(1) 依存関係を手書き矢印またはクラウドの連結線機能で明示し、バーをドラッグすると自動で後続工程が追従する設定にする
(2) 遅延発生時は 24 時間以内にリカバリープランを作成し、非クリティカル工程の短縮や外注分割で吸収する手順をマニュアル化する
の二点です。
まとめ|バーチャート工程表で工程管理をスマートに
バーチャート工程表は、縦に作業、横に日程を取り棒で示すシンプルな工程表です。
短時間で作成でき現場全員が直感的に理解しやすい一方、作業間の依存関係やクリティカルパスは見えにくいという弱点があります。
そこで予備日設定やクラウド連携で変更を即共有し、ガントやネットワーク表とのハイブリッド運用で欠点を補うことが重要です。
さらに、建設業界に特化した現場管理アプリ「サクミル」を活用することで、バーチャート工程表の共有や運用がより効率的になります。
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サクミル公式サイト:https://sakumiru.jp/
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