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特定建設業と一般建設業の違いとは?許可・請負金額・責任の違いをやさしく解説!
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特定建設業と一般建設業の違いとは?許可・請負金額・責任の違いをやさしく解説!


  • 「特定建設業と一般建設業の違いって何なの?」
  • 「結局、自分たちは特定建設業の申請必要なの?」

このようなお悩みをお持ちではありませんか?

建設業を始める・拡大するうえで欠かせないのが、建設業許可の取得です。しかし、許可には「一般建設業」と「特定建設業」の2種類があり、それぞれの違い・要件・必要な場面をしっかり理解しておかないと、後々トラブルになりかねません。

本記事では、特定建設業と一般建設業の違い、許可の取得条件などを丁寧に解説します。申請の判断に迷っている方や今後の申請を検討している方にとっても必ず役立つ内容です。ぜひ最後までご覧ください。

特定建設業と一般建設業の違いとは?

建設業を営むには、原則として「建設業の許可」が必要です。
その許可には「一般建設業許可」と「特定建設業許可」の2種類があり、どちらの許可が必要かは工事の請負金額や下請契約の有無によって変わります。

2025年2月に建設業法施行規則が改正され、特定建設業許可が必要となる下請契約金額の基準が引き上げられました。 「4,500万円 → 5,000万円」「建築一式工事では 7,000万円 → 8,000万円」にそれぞれ引き上げられています。

国土交通省:建設業法施行規則改正の閣議決定

ここでは、建設業法上の制度背景や、具体的な金額基準と責任範囲の違いについて、詳しく説明していきます。

制度の背景と概要(建設業法の目的と分類)

建設業法は、公共性の高い建設工事の適正な実施を確保するために定められています。

特に、請負契約の透明性を保ち、施工体制の適正化を図る目的で、事業者を以下のように分類しています。

  • 特定建設業者:下請契約を含む大規模な建設工事を担う元請業者
  • 一般建設業者:小規模から中規模の工事を主に担う業者

この区分けにより、

  • 施工ミスや倒産リスクの責任所在が明確になる
  • 下請けへの発注時の責任が明文化される
  • 公共工事や大規模案件での信頼性が担保される

といった効果があります。

つまり、この制度は元請と下請の関係性を整理し、建設現場での安全性・信頼性・透明性を担保することを目的に運用されています。

大きな違いは「請負金額」と「下請への責任」

特定建設業と一般建設業の最も大きな違いは、「下請契約を行う際の金額」と「その際に求められる責任の重さ」です。

以下に、具体的な違いをまとめます。

  • 一般建設業:
    比較的小規模な工事を対象とした許可制度として、材料費を含めて税込500万円を超える工事を請け負う際に必要です。
  • 特定建設業:
    大規模工事や多数の下請業者を抱えるプロジェクトを担う事業者(元請け)を対象とした許可制度で、5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の下請契約を発注する場合に必要です。専任技術者や財産的基礎など厳しい要件が適用されます。

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特定建設業の特徴と取得要件

特定建設業許可は、大規模な建設工事を元請として請け負う場合に必要となる許可です。

この許可を取得するには、一定の財務基盤や組織体制を整えている必要があります。

ここでは、特定建設業許可の特徴や取得のための要件について、以下の見出しで詳しく解説していきます。

どんなときに「特定建設業許可」が必要?

特定建設業の許可が必要になる場面は、主に下請契約の金額が大きくなる場合です。

たとえば以下のようなケースです。

  • 公共工事の元請け
  • 大型のマンション建設
  • 工場や商業施設の新築工事
  • ゼネコンからの下請けを管理する元請ポジション

これらの工事では、5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の下請契約を発注することが一般的です。そのため、こうしたプロジェクトの元請として仕事を受けるには、特定建設業許可が必須となります。

公共工事では、発注者の基準により「特定建設業許可」が求められるケースがあります。すべての公共工事で特定が必須というわけではありませんが、大規模案件では要件となることが一般的です。

要件①:資本金や財産的基礎

特定建設業の許可を取得するためには、健全な財務基盤があるかどうかが重要な判断材料になります。

具体的な要件は以下のとおりです。

  • 資本金が2,000万円以上あること
  • 自己資本額が4,000万円以上あること
  • 欠損額が資本金額の20%未満であること
  • 流動比率が75%以上であること

大規模な建設工事には、工期の遅れや資材価格の上昇などによる予期せぬ出費がつきものです。そのため、許可取得の審査では財務状況の安定性も重要な判断材料となります。

実際の審査では、決算書や納税証明書の提出が求められるほか、日頃の会計管理も審査対象に含まれます。

要件②:専任技術者と営業所設置

特定建設業では、一定の技術力を持った人材を常勤で配置していることも要件となります。

主な条件は以下のとおりです。

  • 営業所に専任の技術者を配置していること
  • 専任技術者は、以下のいずれかを満たす必要がある
     └ 国家資格(施工管理技士など)を保有
     └ 一定年数以上の実務経験を有する※

※一般建設業の許可を申請する際の専任技術者の要件を満たしており、かつ、申請対象となる建設業に関して、発注者から直接請け負った4,500万円以上の工事について、2年以上にわたり指導や監督などの立場で実務経験を積んだ者

この技術者が実際の工事管理や指導監督を担うため、施工品質の担保や現場対応力の確保が目的です。

特定建設業を目指す場合には、資格取得や社内育成を含めて、長期的な人材戦略の構築が必要となります。

要件③:誠実性・欠格要件

財務や人材の体制が整っていても過去に重大な法令違反や不正行為がある場合は、特定建設業の許可を取得することはできません。

以下のようなケースは「欠格事由」に該当します。

  • 暴力団との関係がある
  • 建設業法や労働法などで重大な処分歴がある
  • 経営業務の管理責任者が不適格である

このように、許可の審査では企業としてのコンプライアンス(法令順守)や社会的信用も重視されます。

つまり、日頃からの事業運営の姿勢が許可の可否に直結します。

取得のメリットと注意点

特定建設業の許可を取得することには、以下のようなメリットと注意点があります。

◎メリット

  • 公共工事や大規模案件を受注できるようになる
  • 発注者や元請業者からの信頼が高まる
  • 企業としての格付けが向上し、入札資格が広がる

⚠注意点

  • 財務要件や技術者要件のハードルが高い
  • 定期的な更新や実績報告など、許可後の管理が煩雑

特定建設業の許可は、会社の成長ステージに応じて必須になる資格です。ただし、「許可を取ることがゴール」ではなく、取得後の維持・運用まで見据えて体制を整えることが大切です。

一般建設業の特徴と取得要件

一般建設業許可は、比較的小規模な建設工事を請け負う際に必要となる許可制度です。

建設業の中でも参入のハードルが比較的低く、多くの中小企業や個人事業主がこの許可からスタートしています。

ここでは、一般建設業の許可範囲や対象工事、特定建設業との違い、そして取得が向いている事業者像について詳しく解説します。

許可範囲と実際の工事規模

一般建設業は、小規模から中規模の工事を中心に行う事業者を対象とした許可です。

許可が必要となる代表的なケース

内装工事
外構・エクステリア工事
小規模なリフォーム工事

請負金額の基準

建築一式工事:1,500万円以上
その他の工事:500万円以上

この金額には、材料費・労務費・設計料など工事に関わるすべての費用が含まれます。

また、特定建設業の基準金額を超える工事であっても自社施工(=下請を使わない)で完結できる場合は、一般建設業の範囲内で対応が可能です。実際には、請負金額が基準を超えず下請を用いない小規模な施工を主とする事業者であれば、無理に特定建設業を取得しなくても事足りるケースが多いといえます。

特定との違い(責任の所在・管理体制)

一般建設業と特定建設業の主な違いは、下請契約の規模と、それに伴う責任範囲の違いにあります。

以下の点が大きな相違点です:

  • 一般建設業は、下請契約の合計金額が5,000万円未満(建築一式工事は8,000万円未満)であれば元請として工事を請け負えます。
  • 一般建設業では、監理技術者の配置義務がなく、管理体制も特定建設業ほど厳しくありません。
  • 財務的な審査も特定建設業より簡易で、資本金・自己資本・流動比率の要件がありません

つまり、一般建設業では比較的小規模な元請業務や下請としての施工業務が主な活動となり、事業運営における法的・技術的責任のハードルが低めに設定されています。

一方で、公共工事や大型プロジェクトの元請となる場合は、特定建設業の許可が必要です。一般建設業だけでは請け負えない案件も多いため、自社の事業計画と受注見込みに応じて使い分けることが重要です。

取得のハードルは低め?どんな事業者に向いているか

一般建設業許可は、次のような理由から、取得のハードルが比較的低いとされています:

  • 資本金や自己資本の額に関する明確な下限がない
  • 専任技術者の要件も、特定建設業に比べて緩やか
  • 監理技術者の配置が不要
  • 申請に必要な書類数も少なめで、費用や工数を抑えやすい

こうした点から、次のような事業者に向いている許可といえます:

  • 創業したばかりの事業者
    ➾  建設業に初めて参入する方が最初に取得しやすい
  • 下請け中心で活動している事業者
    ➾ 小規模で自社施工が主なスタイルの工務店・リフォーム業者など
  • 費用を抑えて許可を取得したい事業者
    ➾ 
    行政書士を使わず自社でセルフ申請しやすいケースも多い

将来的に、公共工事や大規模な元請工事を視野に入れている場合は、事業成長に応じて特定建設業へ切り替えるステップアップ戦略を取ることも可能です。

特定と一般、どちらを選べばよい?

特定建設業と一般建設業、どちらの許可を取得すべきかは、自社の事業規模・工事内容・下請体制などによって異なります。

ここでは、判断の目安となるフローチャートや選択時のポイントを説明しながら、事業者が「特定・一般」どちらを取るべきなのかを適切に選択できるように解説していきます。

フローチャートで簡単に判断

建設業許可を選ぶ際には、以下のようなフローチャート的な判断が有効です。

  • 「下請に5,000万円以上の工事を発注する予定がある」
    → 特定建設業
  • 「建築一式工事で、8,000万円以上の下請契約を結ぶ予定がある」
    → 特定建設業
  • 「自社だけで工事を完結する、または下請を使っても基準未満」
    → 一般建設業

事業規模・下請体制・顧客ニーズで選ぶ

どちらの許可を選ぶべきかは、以下のような要素からも総合的に判断することが重要です。

  • 事業規模
    ➾ 
    会社の年間施工実績が数億円規模になっている場合、将来的に特定許可が必要になる可能性が高いです。
  • 下請体制
    ➾ 
    常に複数の下請業者に発注している場合は、責任管理の観点からも特定建設業の方が適しています。
  • 顧客ニーズ
    ➾ 
    大手ハウスメーカーや公共団体との取引では、特定建設業の許可を持っていることが信頼性の指標になります。

将来的な受注機会や信用面を考慮して、今すぐ必要がなくても、将来に備えて特定建設業の取得を見据える事業者も少なくありません。

途中での切り替えは可能?(一般→特定)

一度、一般建設業の許可を取得したあとでも、条件を満たせば特定建設業への切り替えは可能です

ただし、以下のような注意点があります。

  • 新たに財務要件・技術者要件・誠実性の要件を満たす必要がある
  • 変更許可申請という形で、改めて書類提出・審査を受ける必要がある
  • 都道府県知事許可の場合、審査には約30~45日程度が目安です。国土交通省大臣許可の場合、約120日程度が目安です。許可の有無が確定するまでは特定としての活動はできない

したがって、事業が急拡大する前に、余裕をもって切り替え手続きを進めることが推奨されます。事前に専門家に相談しておくと、スムーズに対応できるでしょう。

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建設業許可取得の流れと必要書類(特定・一般共通)

特定建設業・一般建設業のいずれを選ぶにしても、許可取得の基本的な流れと必要書類は共通です。

ここでは、申請までのステップや書類の種類、専門家に依頼する際のメリットについてわかりやすく解説します。

許可申請の流れ(都道府県・国)

建設業の許可申請には、以下のようなステップがあります。

  1. 必要書類の準備
  2. 営業所所在地の都道府県知事、または複数都道府県にまたがる場合は国土交通大臣へ申請
  3. 約30〜120日で審査、結果通知

申請書の作成時には、記入様式に従った正確な記載と添付書類の整備が求められます

提出先は以下のように分かれます。

  • 都道府県知事許可:営業所が1都道府県内にある場合
  • 国土交通大臣許可:営業所が2つ以上の都道府県にある場合

許可申請書の記載例・様式(参照元)

これらを確認しながら、自社の条件にあった提出先・様式を選びましょう。

提出書類一覧とチェックポイント

建設業許可の申請にあたっては、以下のような書類を提出します。

  • 建設業許可申請書
  • 専任技術者証明書(国家資格証または実務経験証明)
  • 経営業務の管理責任者証明書
  • 財務諸表(貸借対照表・損益計算書)
  • 納税証明書(法人税・消費税)
  • 登記事項証明書
  • 住民票(個人の場合)
  • 登記簿謄本(法人の場合)

これらの書類は、提出時に不備があると再提出を求められ、審査が大幅に遅れる可能性があります。特に専任技術者や経営業務管理責任者の実務経験証明などは、第三者の証明や実績資料が求められるため、早めの準備が肝心です。

書式・記載例 参考リンク

行政書士など専門家に依頼するメリット

建設業許可の申請は、書類の量・記載ルールが非常に多く、慣れていないと時間も手間もかかる作業です。

そのため、行政書士や建設業専門の士業に依頼することで、以下のようなメリットがあります。

  • 書類作成の手間を省ける
  • 提出内容の不備を事前にチェックできる
  • 審査で通りやすくなるようなアドバイスが得られる
  • 許可後の維持管理や更新手続きもサポートしてもらえる

特に初めて建設業許可を取得する事業者にとっては、専門家の伴走支援は安心感が大きくミスの防止にもつながります。

料金は数万円~十万円台が相場ですが、その価値は十分に見合うといえるでしょう。

よくある質問Q&A

建設業の許可取得については、多くの方が共通して抱える疑問があります。

ここでは、実際に寄せられることの多い質問を取り上げ、わかりやすく解説していきます。許可制度の仕組みや判断のポイントを理解する一助として、ぜひご活用ください。

「許可がないと工事できないの?」

許可がなくても、軽微な建設工事であれば請負可能です。

ただし、以下のような制限があります。

  • 建築一式工事:1,500万円未満
  • その他の工事:500万円未満

上記を超える工事を請け負う場合は、建設業許可が必須です。

また、金額が要件内であっても、許可がないと信用を得にくいという実情があります。たとえば大手企業や公共団体は、原則として許可業者としか取引しません。

つまり、法的には一部の工事は無許可でも可能ですが、ビジネス拡大や信頼確保のためには許可取得が事実上の必須条件といえるでしょう。

「500万円を超えるとはどういう意味?」

「500万円を超える」とは、税込価格での契約金額を指します。

具体的には以下のようなケースです。

  • 工事一式の契約額が500万円(税込)を超える場合
  • 複数の小規模工事を一括で請け負った結果、総額が基準を超える場合
  • 建材や施工費を含めた一括請負契約で総額が超過する場合

また、見積書の内容や契約書記載の金額にも注意が必要です。

発注者との交渉や工事範囲の増減によって金額が変動することもあるため、契約時点での金額基準を明確に把握しておきましょう。

「特定建設業を取るにはいくらかかる?」

特定建設業の許可を取得するには、主に以下の費用がかかります。

1. 行政手数料(申請費)

  • 都道府県知事許可:9万円
  • 国土交通大臣許可:15万円

2. 書類作成費用(行政書士などに依頼した場合)

  • 相場は5万~15万円程度
  • ※事業規模や申請の難易度によって変動あり

3. その他の実費

  • 納税証明書や登記簿謄本の取得費
  • 資格証明書の発行手数料
  • 郵送・印紙代などの細かな経費

合計で見積もると、最低でも10万円台後半から20万円台後半になるケースが一般的です。ただし、費用を抑える方法として、自社で申請手続きを行う(セルフ申請)という選択肢もあります。

まとめ|自社に必要な許可を見極めて、計画的に取得しよう

ここまで、特定建設業と一般建設業の違いや、それぞれの許可要件・判断基準・取得の流れなどを解説してきました。

最後に、記事全体を簡単に振り返ります。

◎解説ポイントまとめ

  • 特定建設業と一般建設業の違いは、主に「下請金額の規模」と「元請としての責任の重さ」
  • 特定建設業許可が必要なのは、下請契約が5,000万円(建築一式は8,000万円)を超える工事を元請として請け負う場合
  • 一般建設業許可は、小規模〜中規模の工事や、自社施工中心の業者向け
  • 許可の取得には、財務基盤・専任技術者・誠実性などの要件を満たす必要がある
  • 初心者や小規模事業者は、まず一般建設業の取得からスタートするのが現実的
  • 将来的に大規模案件を受ける予定があるなら、特定建設業への切り替えも視野に入れるべき
  • 建設業許可は、信用力・受注力・法令順守の面でも、事業成長に不可欠なステップ

◎最後に:業務効率化も視野に

特定建設業と一般建設業は、請負金額や下請責任の範囲によって使い分けが必要です。どちらを取得するかは、事業規模や顧客ニーズ、将来的な展望を踏まえて判断しましょう。

また、建設業許可を取得した後は、現場の管理や安全書類の対応も重要な業務になります。その際には、クラウド型の現場管理サービス「サクミル」の導入もおすすめです。

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  • 工事進捗の見える化!

などがスムーズにできるため、業務効率を飛躍的に高めることが可能です。

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