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建設業の粗利率の目安は何%?計算方法・業種別平均と利益改善のポイント
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建設業の粗利率の目安は何%?計算方法・業種別平均と利益改善のポイント


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粗利率とは、売上高に対する粗利(売上総利益)の割合を示す指標です。建設業においては、工事ごとの収益性を測る最も基本的な数値であり、経営判断の土台となります。

しかし、「自社の粗利率が業界平均と比べて高いのか低いのか」「どうすれば粗利率を改善できるのか」を正確に把握できている建設会社は、実はそれほど多くありません。

本記事では、建設業における粗利率の計算方法から業種別の平均値、粗利率が低くなる原因と改善策までをわかりやすく解説します。

そもそも粗利率とは?建設業における基本の計算式

粗利率を正しく理解するには、まず計算式と建設業特有の原価構造を押さえておく必要があります。

粗利・粗利率の定義と計算式

粗利率とは、売上高に対する粗利(売上総利益)の割合を示す指標です。企業の本業における収益力を測る基本的な指標として広く用いられています。

計算式は以下の通りです。

  • 粗利(売上総利益) = 売上高 - 売上原価
  • 粗利率(%) = 粗利 ÷ 売上高 × 100

建設業では会計上の用語が一般企業と異なります。「売上高」は「完成工事高」、「売上原価」は「完成工事原価」と呼ばれます。したがって、建設業における粗利率の計算式は次のようになります。

粗利率(%)=(完成工事高 - 完成工事原価)÷ 完成工事高 × 100

一般的な小売業では「仕入原価」が売上原価の中心ですが、建設業では材料費に加えて労務費・外注費・現場経費など複数の原価項目が絡み合います。この点が、建設業の粗利率を理解するうえで最も重要なポイントです。

建設業の原価構造(材料費・労務費・外注費・現場経費)

建設業の完成工事原価は、大きく4つの項目で構成されています。

原価項目

内容

具体例

材料費

工事に使用する資材・部品の費用

鉄筋、コンクリート、木材、電線、配管材

労務費

自社職人・直用作業員の人件費

日当、社会保険料の事業者負担分

外注費

協力会社(下請)への発注費用

左官工事、電気配線工事、足場架設

現場経費

現場運営にかかる間接費

仮設資材、安全設備、運搬費、現場事務所

この4分類は建設業の原価管理の基本単位です。特に外注費は建設業の原価に占める割合が最も大きいケースが多く、50〜70%に達することもあります。外注費の管理が粗利率に最も大きな影響を与える項目であることを、まず押さえておきましょう。

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建設業の粗利率の平均はどのくらい?業種別の目安一覧

建設業全体の粗利率の平均は約24%とされています。ただし、業種や企業規模によって大きな差があります。

建設業全体の粗利率平均

一般財団法人建設業情報管理センターの建設業の経営分析(令和6年度)によると、建設業全体の粗利率は約24%となっています。

ただし、企業規模による差異には注意が必要です。売上高数千億円規模の大手ゼネコンと、売上高数千万〜数億円規模の中小工務店では、粗利率に大きな開きがあります。一般に、中小規模の建設会社の方が粗利率は高くなる傾向があります。これは、元請比率が高い場合や特殊な専門技術を持っている場合に、より高い付加価値を提供できるためです。

業種別の粗利率目安

建設業の主要業種ごとの粗利率目安は以下の通りです。

業種

粗利率の目安

工事の種類

土木工事業

約26%

土木一式工事、舗装工事、しゅんせつ工事、水道施設工事、造園工事(土木工事が完成工事高の8割以上の企業)

土木建築工事業

約18%

土木工事が完成工事高の2割以上8割未満の企業

建築工事業

約20%

建築一式工事(土木工事が完成工事高の2割未満の企業)

設備工事業

約30%

電気工事、管工事、機械器具設置工事、熱絶縁工事、電気通信工事、さく井工事、消防施設工事、清掃施設工事

職別工事業

約29%

大工工事、左官工事、とび・土工・コンクリート工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、建具工事、解体工事

参照:令和6年度_建設業の経営分析(一般財団法人建設業情報管理センター)

※上記はあくまで目安です。同じ業種でも元請/下請の立場、地域、工事規模によって大きく異なります。

業種間で粗利率に差が出る主な要因は、(1) 材料費比率の違い(2) 外注依存度の違い(3) 専門技術の希少性(4) 元請/下請の構造の4点です。自社の業種の平均値を把握したうえで、改善余地がどこにあるかを見極めることが重要です。

粗利率が低い建設会社に共通する3つの原因

粗利率が業界平均を下回っている場合、多くの建設会社に共通する原因があります。

原因1:外注費の管理不足

建設業において外注費は原価の50〜70%を占めることも多く、粗利率に最も大きな影響を与える項目です。にもかかわらず、以下のような管理不足が頻繁に見られます。

  • 追加工事の口頭発注:現場で発生した追加作業を正式な発注書なしに依頼し、後から想定外の請求が発生するケース
  • 単価交渉の未実施:長年の付き合いで単価を見直さないまま発注を続け、市場相場より割高になっているケース
  • 外注先の集中リスク:特定の協力会社に依存し、価格交渉力を持てないケース

たとえば、見積段階では外注費を800万円で見込んでいたにもかかわらず、追加工事の口頭発注が重なり実際には950万円に膨らんだというケースは珍しくありません。この150万円の差額が、そのまま粗利の減少に直結します。

原因2:材料費の高騰への対応遅れ

近年は鉄鋼・木材・銅線などの資材価格が大きく変動しており、建設業の粗利を圧迫する要因となっています。

  • 見積段階で想定した材料費と、実際の仕入時点での価格に乖離が生じるケースが増加しています
  • 特に工期が長い案件(6か月〜1年以上)では、契約時と施工時の材料費に大きな差が出やすくなります
  • スライド条項(価格変動に応じた契約金額の調整条項)を契約書に盛り込んでいない場合、価格上昇分を自社で吸収せざるを得ません

材料費の高騰リスクへの対策としては、「発注タイミングの分散」「複数の仕入先からの相見積もり」「スライド条項の活用」などが有効です。

原因3:工事途中で原価を把握できていない

多くの中小建設会社が抱える最大の課題は、「工事が完了して請求書が揃うまで、実際の原価(=粗利)がわからない」という状態です。いわゆる「どんぶり勘定」の問題です。

  • Excelでの月次原価集計は後回しになりがちで、赤字に気づいた時にはすでに手遅れになっている
  • 現場ごとの日々の出費(材料仕入、外注支払、労務費)がリアルタイムで集約されていない
  • 工事台帳が手書きや個別Excel管理で、全社での一元管理ができていない

「赤字だとわかっていれば工程の見直しや設計変更の交渉ができたのに、完了後に初めて赤字が判明した」という失敗は、建設業では非常に多く聞かれます。リアルタイムに原価を把握できる仕組みがなければ、粗利率の改善は困難です。

建設業の粗利率を改善する5つの方法

粗利率が低い原因を踏まえ、具体的な改善方法を5つ紹介します。

方法1:実行予算を工事ごとに作成する

「実行予算」とは、見積金額をもとに材料費・労務費・外注費・現場経費の各原価項目に予算枠を設定した、工事ごとの利益計画です。

  • 実行予算を作成することで、着工前に「この工事で目標とする粗利率」が明確になります
  • 工事進行中に予算との乖離を把握する基準(ベースライン)として機能します
  • 見積時の「なんとなくの利益見込み」から、「根拠のある利益計画」へと変わります

実行予算の有無が、粗利率を安定して確保できる会社とそうでない会社を分ける大きなポイントです。

【関連記事】実行予算の作り方とテンプレート

方法2:外注費・材料費の単価を定期的に見直す

原価の大部分を占める外注費と材料費は、定期的に単価を見直すことで粗利率を改善できます。

  • 外注費の見直し:年に1回は協力会社との単価交渉を実施しましょう。同じ工種で複数社から見積もりを取る「相見積もり」を習慣化することが重要です
  • 材料費の見直し:主要資材の仕入先を定期的に比較検討します。まとめ発注による数量値引き交渉や、代替材料の検討も有効です
  • 歩掛(ぶがかり)の精度向上:過去工事の実績データを蓄積し、見積段階の原価精度を高めます

単価を5%下げるだけで、粗利率が2〜3%改善するケースも珍しくありません。まずは金額の大きい項目から見直しを始めることをおすすめします。

方法3:工事台帳でリアルタイムに原価を把握する

工事ごとの売上・原価・粗利を一元管理する「工事台帳」を、リアルタイムに更新できる仕組みで運用することが重要です。

  • 日報や発注データから原価を自動集計することで、手入力の手間と転記ミスを削減できます
  • 工事進行中に「予算に対して今どのくらい原価が発生しているか」を常に把握できる状態になります
  • 赤字転落の兆候を早期に発見し、工程調整や設計変更交渉などの対策を打てるようになります

たとえば建設業向けの管理ツールでは、日報入力と連動して工事台帳の原価が自動更新され、案件ごとの粗利をリアルタイムで把握できるものもあります。紙やExcelでの管理に限界を感じている場合は、こうしたツールの活用を検討する価値があるでしょう。

【関連記事】工事台帳ソフトの比較

方法4:赤字案件を早期に発見する仕組みを作る

全工事の粗利状況を一覧で把握し、赤字(またはその兆候がある)案件を早期に発見する体制づくりも欠かせません。

  • 月次の工事別損益レビュー:経営者と現場責任者が定期的にミーティングを行い、各案件の粗利状況を確認します
  • アラート基準の設定:粗利率が目標の80%を下回った案件には自動的にアラートを出す仕組みを導入します
  • 赤字案件への打ち手:手番変更(作業手順の効率化)、設計変更交渉、追加請求の検討などを速やかに実行します

赤字案件をゼロにすることが目標ではなく、赤字の拡大を最小限に抑え、他の案件でカバーできる状態を作ることが現実的なゴールです。

方法5:原価管理をデジタル化する

Excel管理からクラウドツールへの移行は、粗利率改善の大きな一歩になります。

Excel管理の限界:

  • ファイルが個人PCに散在し、全社での一元管理が困難
  • データの転記ミスが頻繁に発生(日報→Excel→工事台帳の多重入力)
  • リアルタイム性がない(月末にまとめて入力するケースが多い)
  • 複数人での同時編集が難しく、最新版の管理が煩雑

クラウド型原価管理ツールのメリット:

  • 現場からスマートフォンで日報入力 → 原価に自動反映
  • 案件別の予算消化状況をダッシュボードでリアルタイム確認
  • 見積 → 実行予算 → 原価実績 → 粗利のデータが一気通貫で連動

建設業向けの管理ツールの一つである「サクミル」のように、日報入力から原価の自動集計、工事台帳での粗利確認までを一つのツールで完結できるサービスも登場しています。原価管理のデジタル化によって、「月末にならないと粗利がわからない」状態から脱却し、リアルタイムの利益管理が実現できます。

【関連記事】建設業向け原価管理ソフトの比較

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建設業の粗利率の計算シミュレーション【具体例で解説】

ここでは、具体的な工事案件を例に、粗利率の計算過程をステップ形式で解説します。

計算例:請負金額3,000万円の内装工事

項目

金額

完成工事高(請負金額)

3,000万円

材料費

600万円

労務費

300万円

外注費

1,200万円

現場経費

150万円

ステップ1:完成工事原価を算出する

600 + 300 + 1,200 + 150 = 2,250万円

ステップ2:粗利(売上総利益)を算出する

3,000 - 2,250 = 750万円

ステップ3:粗利率を算出する

750 ÷ 3,000 × 100 = 25.0%

【シミュレーション】外注費が100万円オーバーした場合

もし外注費が予定の1,200万円から1,300万円に膨らんだ場合、完成工事原価は2,350万円に増加し、粗利は650万円に減少します。粗利率は25.0% → 21.7%へと3.3ポイントも低下します。外注費の管理が粗利に与えるインパクトの大きさがわかる例です。

【参考】電気工事の場合

請負金額1,500万円の電気工事で、材料費200万円・労務費500万円・外注費250万円・現場経費50万円の場合、完成工事原価は1,000万円、粗利は500万円、粗利率は33.3%です。電気工事は専門技術への依存度が高く労務費比率が大きい一方、材料費比率が低いため、粗利率は比較的高くなる傾向があります。

粗利率と営業利益率の違い【建設業でよくある誤解】

粗利率と営業利益率は混同されやすい指標ですが、示す意味が大きく異なります。

  • 粗利率:完成工事高から完成工事原価を差し引いた利益率。現場レベルの収益性を示します
  • 営業利益率:粗利からさらに一般管理費(本社家賃、管理部門の人件費、通信費、保険料等)を差し引いた利益率。会社全体の収益性を示します

粗利率が25%の工事でも、一般管理費を差し引くと営業利益率は5〜8%程度になることが一般的です。粗利率だけを見て「利益が出ている」と安心してはいけません。

建設業では一般管理費率が15〜20%程度であるケースが多いため、この数値を頭に入れておくことで「最低限確保すべき粗利率のライン」を逆算できます。たとえば、一般管理費率が18%で営業利益率5%を目標とする場合、必要な粗利率は23%以上ということになります。

まとめ:建設業の粗利率改善にはリアルタイムの原価管理が不可欠

本記事の要点を整理します。

  • 建設業の粗利率の平均は約20〜25%だが、業種・規模・元請/下請の立場によって大きく異なる
  • 粗利率の計算式は「(完成工事高 - 完成工事原価)÷ 完成工事高 × 100」。原価は材料費・労務費・外注費・現場経費の4項目で構成される
  • 粗利率が低い主な原因は、外注費の管理不足・材料費高騰への対応遅れ・リアルタイムの原価把握ができていないこと
  • 改善の鍵は、実行予算の策定と工事台帳によるリアルタイムの原価管理にある

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